大自然からの贈り物 新茶が日本人に愛される理由

今回は、茶業歴60年鹿児島の茶師、堀口家ご長男の堀口常弘(つねひろ)さんに、新茶の美味しさの魅力に関して伺いました。春を迎え、お茶屋さんに「新茶」と書かれたのぼりが立つと、私はウキウキするのを感じます。日本人はなぜ、古来より新茶を愛し続けてきたのでしょうか。その謎を一緒に紐解いてみましょう。

「じっくり蓄えられた、深いうまみを味わえる」それが新茶の美味しさの理由

「新茶と呼ばれる一番茶は、秋に得た養分を冬の休眠期間にため込んでいるため、うまみ成分のアミノ酸を
二番茶、三番茶に比べて特に多く蓄えています。逆に、新芽が出てからは日照の少ない春先に育つため、
渋み成分は少なく深い味わい。新茶の人気の理由、まずひとつは新茶独特の深いうまみです。」

新茶は、福を与えてくれる縁起物。~日本人と新茶の特別な関係

「また日本では、江戸時代から新茶のような初物を口にすると健康に過ごせると言われました。縁起の良さや季節感を重んじる日本人は、そんな新茶を特別な飲み物として大切にしてきたのです。日本にお茶が
渡って約1200年。日本人の新茶への愛は、長い月日の中で育まれた、本当にかけがえのないものだと言えるでしょう」

これからもお茶の美味しさを追求していく。新茶の魅力を広めたい

「茶業に携わって60年近くになりますが、まだまだお茶に関して研究すべきことは多い。特に新茶の味や
香りには、自然の奇跡さえ感じます。美味しさや栄養価値の高さはもちろん、言葉で説明しきれない
神秘性を、新茶を飲むときに肌で感じて欲しいと思います。」私に急須でお茶を淹れてくれた常弘さん。
最後の一滴まで注ぎきる姿におもてなしの心を強く感じました。

【最後の一滴まで心を込める】