新茶初摘み前の最後の難関。茶農家と大自然の闘い。

春先の霜。茶農家にとって、手塩にかけて育ててきた新茶の新芽に、一夜にして壊滅的被害を及ぼすこともある恐ろしい自然現象です。「霜注意報」が発令されたある日の午前3時。堀口千郎(ちろう)さんのご長男で、茶畑一筋のお父様の血を受け継ぐ、堀口晃(あきら)さんの霜の見回りにご一緒しました!

霜の被害は取り返しがつかない。ひとつの小さなミスすら見逃せません。

「のりすけさん、風邪ひかないでくださいね。外は-3℃くらいまで下がっているはずですから。今日はこれから軽トラで13か所の畑を回ります。1か所ずつ畑を回って、霜を防ぐスプリンクラーが正常に動いて散水しているか、十分な水圧で水が新芽に届いているかなどをチェックします。」

自然が相手だと気が抜けない。準備に準備を重ねて不測の事態に対処します。

「確かにスプリンクラーなどの導入で霜の被害は減りましたが、機械にもリスクはある。以前には、温度センサーの異常でスプリンクラーが作動していなかったり、水圧不足で新芽に水が届いていなかったりということがあった。そういったときも迅速に対処できるように準備に準備を重ねています。機械は人間がきちんと管理してこそ、期待に応えてくれるものですから。」

失敗に学び、妥協しないお茶づくり。全ては美味しい新茶をお届けするために。

「今日も明るいうちに設備の動作チェックをしましたし、夜の10時と12時にも他の茶畑の見回りに行ってきました。正直この時期は肉体的にきついですけど、霜予報が出たらそんなことは言ってられません。以前、初摘み直前だった新芽を霜でやられてしまったことがあるんです。言葉にできないくらい後悔しましたし、二度と繰り返さないと心に誓いました。」

新茶を待ち望む多くの人々のために、そして家族のために。茶農家の奮闘努力は続いていく。

「さて、全ての畑でスプリンクラーが問題なく動いているようですし、この畑で今日の見回りは終了。とりあえず異常がなくほっと一安心です。もうそろそろ朝日が昇る時間ですね。のりすけさん、お疲れ様でした。」 家に帰れば優しいパパでもある晃さん。茶農家のみなさんのたゆまぬ努力が「お~いお茶」の美味しさに活きていることを、改めて実感させられた一日でした。

「茶畑ビデオ」~明け方、スプリンクラーの回る茶畑