お茶のプロフェッショナルが語る、お茶のことわざと日本人の深い関係。

お茶にまつわることわざ、皆さまはいくつご存知ですか?お茶は約1200年前に日本に渡り、長い歴史を持つ、日本の文化に深く根差した飲み物。それゆえ、お茶をモチーフにしたことわざや格言は、本当にたくさんあるんです。鹿児島県志布志市有明町でお茶をつくって60年、堀口常弘さんに解説していただきました。

「日常茶飯事(にちじょうさはんじ)」

常弘さん「驚くことでもない、当たり前な出来事を表す言葉です。お茶を飲んだり食事をすることは、日常のありふれた風景ですよね。そこから転じて生まれた言葉だと言われています。お茶が、いかに人々の生活に根差しているか、よく分かる言葉ですね。私も実際、これを一番日常茶飯事に使うんじゃないかな(笑)。」

「茶柱が立つと縁起が良い」

「茶柱が立つとは、お茶の中に、茶葉の茎の部分が立って浮かぶこと。急須の網目を抜けて、茎が寝ずまっすぐ立つ。見られるのは珍しく、そこから縁起の良さにつながったんでしょう。茶柱を見た時は内緒にすると良いとも言うけど、子供の頃、茶柱が立ったら嬉しくて、ついつい周りに言いふらしちゃってたなあ。」

「朝茶は福が増す」

「朝にお茶を飲むと、幸運を招く、一日を幸せに過ごせるという意味のことわざ。早めに起きて、自分のため家族のため、お茶をじっくりと淹れ、心を落ち着けて飲む。頭がスッキリとし、身が引き締まる気持ちになります。緑茶にはカテキンなどの健康成分もあるし、昔の人の生活の知恵を感じることわざですね。」

朝に飲むお茶の大切さは、多くの言葉で古くから語り継がれている。

「他にも『朝茶は七里戻っても飲め』『朝茶はその日の難逃れ』など、朝のお茶に関することわざは特に多く伝わっています。朝のお茶が、古くから大切に考えられてきたためでしょうね。「お茶の子さいさい」「へそで茶をわかす」など、お茶のことわざは実に種類豊富。またいつか、紹介できたらと思います。」

「まっ、茶いっぺ飲んでいっきゃんせ。」忙しい日々にも、お茶で幸せな休息を。

「最後に、これはことわざではないですが、鹿児島でよく聞かれる言葉。お茶でも飲んで一息入れて、気持ちにゆとりを持っていきなさいという、おもてなしとねぎらいの言葉です。お茶は人と人をつなぎ、幸せを運ぶ縁起物。お茶と共にゆとりある時間を過ごし、より福多き暮らしを送っていただけたら幸いです。」