お茶のおいしさのため、欠かせない作業。茶畑が生まれ変わる「更新」作業の秘密。

このたび私は、二番茶の摘採も終わりを迎えた「お~いお茶」の契約茶産地、鹿児島県志布志市有明町で、衝撃的な光景を目にしました。何と、多くの茶畑のお茶の樹が、枝がはっきり見えるほどに刈り取られていたのです!気になるその理由について、堀口製茶に入社11年目の大平裕也さんに解説していただきました。

心配ご無用!茶葉はふたたび、私たちに自然の恵みを届けてくれます。

大平さん「こうやって茶の樹を刈り込む作業を、茶農家の間では『更新』と呼んでいます。初めて見てびっくりする方もいると思いますが、もちろんこうして刈ってしまっても、茶の樹が枯れてしまうようなことはありません。数十日すれば次の芽が立派に伸びてきますから、安心してください。」

全てはおいしさのため。「更新」作業は、茶農家の知恵の結晶。

「お茶の樹は摘採を繰り返すと、丈が伸びるとともに枝が細く分かれ、小さな芽が多く出るようになり、全体の収穫量と品質が落ちる傾向があります。そこで行うのが、茶畑ごとの状況に合わせて、一番茶か二番茶の収穫後に一度樹を刈ることで、太く強い枝を新たに生やし、収穫量や品質を保つ『更新』作業です。」

驚きの、茶の樹の生命力。2か月後には、茶葉の収穫が可能に!

「『更新』にはいくつか方法がありますが、摘採面から50~70cmも枝を刈り落とすことも。しかし60~70日後には新芽が伸び、次の収穫を行うことができます。初めて自分で更新作業をした頃は、正直、次の芽がちゃんと出るのか心配したこともあります。無事に伸びた姿を見て、本当に安心しましたよ。」

刈る時期と高さの見極めには、茶農家の知識と経験が必要不可欠です。

「更新を行う日程や刈る深さは、茶畑ごとの状況を見て慎重に決定します。更新の内容が、次の収穫や来年の新茶の収穫量や品質を大きく左右するので、一切妥協できません。枝を刈った後は畑の土に陽が差し込み、雑草の伸びが早くなります。雑草対策や土づくりに気を配り、樹が順調に育てるよう手助けします。」

刈る高さを1cm変えるだけで、次の新芽が全然ちがう。お茶は、難しいから面白い。

「毎年、これまでの更新の細かな内容と、その後摘採したお茶の品質のデータを見比べ、常により良い方法を目指して作業計画を立てています。お茶の品質を左右する更新作業には大きな責任が伴いますが、イメージ通りの良いお茶ができたときは嬉しいですね。今後も、おいしいお茶づくりを追求していきます。」